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日本人配偶者等ビザの理由書のポイント

 配偶者ビザ(在留資格「日本人の配偶者等」または「永住者の配偶者等」)を申請する際の「理由書」は、夫婦関係が真実で継続性があること、そして日本で安定的に一緒に暮らしていく意思と基盤があることを説明する重要な書類です。以下に、そのポイントを解説します。最後に、最大のポイントをお伝えいたします。

 

📌 配偶者ビザ申請理由書の目的とは?

・結婚が偽装ではなく、実体を伴った真実の結婚であることを証明

・日本で夫婦として生活していく意思と準備があることを伝える

・書類だけでは伝わらない「日常の様子」「気持ち」「経緯」を説明できる

 

📝 理由書の構成とポイント

1. 婚姻の事実と経緯を明記する

 

・いつ出会い、どのように関係が深まり、結婚に至ったか

・交際期間、連絡手段、初対面の時期、婚姻の決め手なども有効

・配偶者との関係が自然かつ継続的に育まれてきたことを伝える

 

📌 ポイント:出会いや結婚のきっかけは簡潔に、でも具体的に。

 

✅ 2. 現在の生活状況を説明する

・同居していること(住民票と一致する住所)

・お互いの家事・生活分担、家族との関係なども簡単に

・日本での生活の安定性(仕事・収入・住居)をアピール

 

📌 ポイント:同居実態が不明確だと不利になります。明確に記載。

 

✅ 3. 経済的基盤の説明

どちらが働いているか、収入状況、生活費の支出・管理方法など

専業主婦(夫)の場合は、扶養者の収入が十分かも示す

 

📌 ポイント:無職・アルバイトの場合は補足説明が必要な場合も。

 

 

✅ 4. 将来の生活の見通しと意思

今後も日本で一緒に暮らしたいという意思表明

日本語学習・地域との交流などがあれば加点対象になりうる

夫婦関係を円満に保つための努力なども簡単に触れてもよい

 

📌 ポイント:「長期的に」「安定して」暮らしていく前提を伝える。

 

 

✅ 5. その他:提出書類との整合性を意識

 婚姻日、住所、職業などは住民票・戸籍・雇用証明書と一致させる

記載内容に嘘や誇張がないこと(矛盾は不利要因)

 

📄 書式・形式について

自由形式(A4用紙・縦でも横でも可)

ワード、手書きどちらも可(ワード推奨)

分量は 400〜800字程度、1ページに収まるのが目安

本人署名・作成年月日を必ず記載

 

💡 よくあるミス・注意点

 

よくある間違い 修正のヒント
   同居実態が曖昧 「〇〇市のアパートで夫婦で暮らしています」など具体的に
  交際経緯が短すぎる 出会い〜結婚までの経過を補足し、写真やLINE履歴で裏付けを
  書類と住所・日付が不一致    理由書作成前に他の書類と確認
   抽象的すぎる 「幸せに暮らしたい」だけでなく生活実態や覚悟を

 

📦 添付書類との関係

理由書は単独で効果を発揮するというよりも、以下とセットで審査されます

・住民票(同居の証明)

・賃貸契約書・公共料金領収書(生活実態)

・写真(夫婦の2ショット)

・LINE・メール履歴(交際の継続性)

・結婚式・家族の紹介などの説明資料

 

✍ まとめ:審査官に届く文章にするには

・嘘や誇張を避け、誠実に

・「なぜ一緒に暮らしたいのか?」という核心に向き合って書く

・親しみと信頼を感じさせる内容・構成にする

 

 

●最大のポイント

 添付書類の内容に沿った、嘘偽りない、わざとらしくない文章にする事が最大のポイントになります。実際の申請では、入管が公表している物だけでは足りない事が多いです。特に身分系と呼ばれる日本人配偶者等ビザ申請では、何度も追加資料が求められる事があります。最初に提出した理由書と、内容が違うとアウトです。

 なので、プロは、この人の状況ならこういう資料を求めてくるであろう、こういう説明も求めてくるであろうと想定し、予め入管が公表している添付書類以外のその人の状況に沿った書類を添付したり、それに沿った書類を作成し添付します。すべてを予め提出し、嘘偽りない内容でその人ごとのオーダーメイドで理由書を作成し、プロがその人の審査ハードルを下げる事になります。

 日本人ですら作文は苦手な人が多いのに、外国人が自分で作成するのは至難の業でうし、日本人の配偶者も素人といえば素人なので、審査官はここを知りたいという感覚は無いでしょう。入管の審査官は、不許可にする為のプロであり、1日何百枚も読んでいるので、ありきたりなテンプレートの内容は直ぐ解りますし、近頃ではネットに流れているテンプレなんかもAIで弾かれてしまう時代です。

 無味乾燥ではありますが、プロが見れば折り込むべきポイントを散りばめられている事が解る弊所名義のサンプルを掲載致します。日本橋行政書士あおき法務事務所では、あなたの具体的な事情を反映した理由書の個別作成支援も行っております。弊所サンプルに基づく理由書相談サービスや理由書のみの作成も承っておりますので、お気軽にお問合せ下さい。

 

日本橋行政書士あおき法務事務所サンプル

令和  年  月  日

出入国在留管理庁 御中

                       理由書

 

 私は、日本人(または永住者)である〇〇〇〇(配偶者氏名)と令和〇年〇月に婚姻し、現在、日本で夫婦として同居しております。

 

 私たちは、日本での生活を共に築いていくことを希望しており、これまでの日常生活においても互いに協力し合い、安定した家庭を営んでいます。現在の居住地は〇〇県〇〇市〇〇町で、配偶者とともに生活しております。

 

 生活費については、私(または配偶者)の安定した収入により家計を支えており、経済的にも自立した生活を送っております。婚姻関係は真実かつ継続的なものであり、結婚後も定期的に写真を撮ったり、家族や友人と行き来したりと、円満な夫婦関係を築いてまいりました。

 

 今後も日本において、配偶者とともに安心して暮らし、社会の一員として貢献していきたいと考えております。

 

 以上のとおり、在留資格「日本人の配偶者等(または永住者の配偶者等)」の許可をいただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

                                            敬具

申請者氏名:                    

在留カード番号:(新規申請の場合は未記入で可)     

署名: