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居抜き物件の種類

 店舗物件には、スケルトン、いわゆる打ちっぱなしのような形態で、自分で業態に合わせて内装工事をする物件と、前のお店の内装を引き継ぐ居抜きがあります。スケルトンは、通常の大家さんとの契約になるので、一般的な不動産屋さんに仲介して貰うパターンにあたります。

 

居抜き物件には、ざっくり3種類あります。

①無償貸与

スケルトンに近い状態ですが、前のお店が設置したエアコンやトイレのような残置物を、賃貸借契約を結べばそのまま使えるパターンです。前のお店にとって原状回復費用がかかるのでそのまま置きっぱなしの方がありがたいし、大家さんにとっても借りてがつきやすいのでそのままでOKにしたような物件ですね。住居用賃貸マンション等でも、エアコン無しだったのが前の人が置いていったので、お家賃そのままでエアコン有りになりました、なんてパターンですね。造作物は貸主の所有物になっている事が多いので、通常のスケルトンの賃貸借契約と同じですね。

 

②店舗転貸

貸主から借りている居抜き物件を、借主がそのまま第三者に居抜き物件とそて転貸するパターン。③のパターンで居抜きした物件を、自分はお店を止めて他の人に貸すような場合と、最初から転貸目的で居抜きをしていた場合があるでしょう。いずれにせよ、貸主の承諾や転貸してもよい特約が必要で、無断で転貸するのは問題になります。このパターンでは、原賃借人(大家さんから借りて居抜き物件を第三者に貸す人)と転借人(居抜き物件を借りる人)との間で賃貸借契約を結び、他にリース契約業務委託契約を結ぶ事が多いでしょう。店舗内部の造作物の所有権は原賃借人にある事が多いので、リース契約を結ぶのです。お店の屋号ごと丸ごと居抜きで経営させるのであれば、業務委託契約を結ぶ事になります。

 

③店舗譲渡(造作譲渡)

前テナントの造作物や設備の所有権を、有償で譲り受けるパターンです。内装の所有権を取得してますが、テナントの大家さんと賃貸借契約を結ばないとテナント自体の使用はできません。ですので、テナントオーナーさんとの賃貸借契約、前テナントさんとの造作譲渡契約資産譲渡契約を結ぶ必要があります。テナントオーナーさんと前テナントさんとの賃貸借契約を承継したい場合は、賃借人の地位を承継する契約を、テナントオーナーさん・前テナントさん・居抜きをした新テナントさんの3人で契約する必要があります。前テナントさんから新テナントさんへの敷金や保証金の受け渡しをしたりが面倒なら、前テナントさんとテナントオーナーさんとの賃貸借契約を解除し、新テナントさんとテナントオーナーさんで新たに賃貸借契約を結んだ方がスッキリしますね。逆に、テナントオーナーさんにとっては、前新テナントさんで保証金の受け渡しをして貰う方が楽ですね。前述した②よりもこちらのパターンの方が、居抜きで使いたい場合の権利関係がスッキリして、テナントを気持ちよく使用できるのではないかと思います。

 

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